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2012年3月

初日印

切手が使用された事を示すために消印が押されます。これは最初の郵便システムを作ったローランド・ヒルが考案しました。新たに切手が発売されると切手を封筒に貼り、発売日の消印(初日印)を押してもらいます。この「封筒」には切手と関連した絵柄がレイアウトされています。これをFirst Day Cover(ファースト・デイ・カバー)と呼びます。また、切手の絵柄や関係する場所等を写真やイラストにした「絵葉書」を(マキシマム・カード)MCといいます。消印には色々な形があり今回アップしたロアルド・ダールのMCロンドン五輪年普通切手MCをご覧ください。ロンドンの消印「E20」や「E15」等は住所のようです、絵柄との関連が解るかも知れません。

珍しい材質で出来た切手

香港では金箔・銀箔を使った切手は以前からありましたが、今年は絹で出来たものが発行されました。また、今年の2月6日ジャージー島でエリザベス女王の即位60周年を記念して発行された切手の中に、王冠に直径1.25mmのダイヤモンドが貼付けられた小型シート(価格は£125.00)があります(発行枚数が少なかったため予約時に売り切れました)。2007年コルクに印刷されたポルトガルの切手。2004年オーストリアのスワロフスキーのクリスタルを貼付けた切手や、2008年のUEFAヨーロッパ・チャンピオンシップで使用されたボールと同じ材質で作られた切手。2011年フランスで発行されたフランス刺繍の切手等、様々な材質で作られた切手が発行されています。

ペニーレッド

世界最初の切手、ペニーブラックは1840年5月6日より使用されました。ローランド・ヒルのアイデアが結実したもので、全国一律1ペニー(1/2オンス迄)の料金は切手で前払いされることになり、再使用を防ぐためにマルタクロスといわれる赤い消印が押されました。

ペニーブラック発行前からローランド・ヒルは再使用を心配していました。発行後ほどなく彼の日記には「あらゆる消印除去手段が試みられている」と記されています。1840年5月から12月にかけて改良案が探られました。切手印刷と消印、両方のインクが問題となりました。切手用のインクは消えやすく、消印用は消えないインク。消印を除去しようとすると切手が毀損されなければなりません。

レインボートライアルと呼ばれ、印刷インクを黒、ライラックローズ、様々な青、緑、そして赤で印刷し、各種薬剤でテストされました。その結果消印に最適のインクは黒のカーボン印刷用インクでした。しかし、黒い切手に黒い消印では判読しにくいため、赤い切手に黒い消印を用いることにして5〜6色の赤いインクで切手を印刷しました。試作品は多くのテストを経て1840年12月30日、ペニーブラックの原板を用いて印刷が始まりました。発売は1841年2月10日でした。

ペニーレッドは以後40年間にわたり400以上のプレートを用い印刷されました。

ペニーレッド復刻版パックには様々な画像が入っています。